カオナビの転職難易度は高い?職種別の応募条件と株式非公開化後に確かめることを解説

kaonavi-tenshoku-nanido

カオナビは株式を非公開化したため、応募前に読める会社の資料は、上場していたころより限られています。

公式の募集要項では、中途の求人34件のどれにも未経験可の記載がありません。必須の年数も、1年以上から5年以上まで求人ごとに違います。転職難易度は会社全体では決まらず、応募する求人が必須にしている経験を満たせるかで変わります。

この記事では、職種別の応募条件と選考の流れ、面接で聞かれること、非公開化後に公開資料で確かめられることと離職率を、公式の募集要項と人的資本データ集をもとに解説します。

カオナビの転職難易度

カオナビは中途採用の人数が多い一方、求人はどれも経験者向けで未経験者向けの求人はない

カオナビは直近の年度に153人をキャリア採用しました。この人数は正社員の3割ほどにあたります。ただし求人票の上ではどの求人も経験者向けで、未経験者を想定した求人は載っていません。

153人という採用数は、公式の人的資本データ集(データで見るカオナビ)の数字です。応募数や書類通過率、内定率は公表されていないため、倍率は出せません。

公式の募集要項には、2026年10月4日時点で中途の求人が34件あります。

職種件数
セールス・パートナー・事業開発13件
エンジニアとQA9件
カスタマーサクセス系7件
コーポレート3件
プロダクトマネージャー2件

職種別の応募条件

セールス、パートナーセールス、カスタマーサクセス、エンジニアの求人で入口になる経験の一覧

中途の求人の大半は、営業、カスタマーサクセス、エンジニアです。残るプロダクトマネージャーとコーポレートも、必須要件に実務経験を挙げています。インサイドセールスとマーケティングの求人はありません。

▶ SaaS業界の職種一覧!仕事内容と今の経験で応募できる職種を解説

セールス

売り先の企業規模や業界の経験を条件にしていない営業の求人は、ソリューションセールス(オープンポジション)の1件です。代理店を通して売る営業は、パートナーセールスとして別に募集されています。

求人必須の経験想定年収
ソリューションセールス(オープンポジション)IT業界(ソフトウェア)での法人営業3年程度以上500万〜2,000万円
エンタープライズセールス従業員数1,000名以上の大手企業へのITコンサルティング・組織人事コンサルティング・無形商材の営業のいずれか3年以上、決裁権者を含む関係者の合意形成650万〜1,000万円
アカウントセールス/組織人事コンサルタントエンタープライズセールスと同じ600万〜900万円
エンタープライズセールス(製造・物流業界向け)製造業界または物流業界へのITコンサルティング・組織人事コンサルティング・無形商材の営業のいずれか(年数の記載なし)700万〜1,000万円
エンタープライズセールス/アカウントエグゼクティブ自社プロダクトのSaaS商材を扱ったエンタープライズセールス5年以上、従業員数2,000名以上の大手企業への導入経験、ABM800万〜2,000万円
エンタープライズセールス(公共・医療領域)官公庁や地方自治体、教育機関、医療機関などへの営業2年以上500万〜900万円
エンタープライズ セールスマネージャー(公共・医療領域)IT業界での提案型営業3年以上、入札・プロポーザル対応、メンバーマネジメントなど700万〜1,000万円
エンタープライズセールス(医療セクター新規市場創出リード)医療機関(大学病院・大中型病院等)向けのシステム・ソリューション営業、病院事務局や経営層向けの折衝、SaaSやERPなどの提案型営業(年数の記載なし)700万〜1,300万円

オープンポジション以外の7件は、大手企業への営業、製造・物流や公共・医療といった売り先での営業、入札対応やマネジメントの経験のどれかが条件に入ります。

パートナーセールス

求人必須の経験想定年収
パートナーアカウントエグゼクティブパートナーセールス(代理店営業、アライアンス)の経験か、IT/SaaS業界における法人営業3年以上目安のいずれか700万〜1,000万円
パートナーアカウントエグゼクティブ(マネージャー候補)※勤務地の違う3求人IT/SaaS業界における法人営業5年以上目安、パートナーセールス3年以上目安、チームマネジメント(3名以上目安)かチームリーダーの経験800万〜1,200万円(東京以外は上限1,000万円)
事業開発(BizDev)/パートナーアライアンスパートナーセールス・代理店営業・アライアンスの経験か、IT・SaaS業界における法人営業または事業開発の経験のいずれか(年数の記載なし)800万〜1,200万円

マネージャー候補ではないパートナーアカウントエグゼクティブと事業開発の2件では、代理店営業やアライアンスの経験が必須ではありません。

カスタマーサクセス

パーソナリティ推進部の1件だけが、カスタマーサクセスの経験を必須にしています。ほかの6件は、営業や導入コンサルティングなど別の経験でも条件を満たせます。

求人必須の経験想定年収
カスタマーサクセス(パーソナリティ推進部)法人向けの新規営業1年以上と、カスタマーサクセスとして顧客の活用支援や課題解決に携わった経験450万〜590万円
カスタマーサクセス(CSM)法人ソリューション営業2〜3年以上500万〜700万円
カスタマーサクセス(公共・医療領域)IT商材の営業、IT商材の導入コンサルティング及びサポート、ITエンジニアとしてのクライアント対応のいずれか(年数の記載なし)500万〜900万円
テクニカル アカウント マネージャー(エンタープライズ領域)ITやSaaS企業でのカスタマーサクセスや導入コンサルティング、PM/PMOなどのいずれか2年以上600万〜900万円
カスタマーサクセス(マネージャー候補)法人向けのソリューション営業など3年以上と、マネジメント経験1年以上(人数不問)600万〜900万円
カスタマーサクセス(エンタープライズ領域)IT業界での提案型営業3年以上かSaaS業界でのカスタマーサクセス経験のいずれかに加えて、プロジェクトマネジメント経験650万〜1,000万円
アカウントコンサルティング/カスタマーサクセス大手顧客に対する深耕営業・既存顧客への営業3年以上700万〜1,000万円

エンジニア

エンジニアは開発が7件、QAが2件で、年数の記載がある開発の求人はWebアプリケーションの設計・開発3年以上を基準にしています。AWSエンジニアだけは5年以上です。

求人必須の経験想定年収
シニアバックエンドエンジニア(PHP)Webアプリケーションの設計・開発3年以上、オブジェクト指向による設計・開発、単体テストを用いた開発600万〜1,200万円
シニアバックエンドエンジニア(Go)上記に加えてGo言語による開発経験600万〜1,200万円
プロダクトエンジニアWebアプリケーションの設計・開発3年以上、バックエンド/フロントエンド両面の開発経験600万〜1,200万円
フロントエンドエンジニアReact/TypeScriptでの実務経験、Reduxなどの状態管理ライブラリを用いた開発経験、CSSの設計およびコーディング経験(年数の記載なし)600万〜1,200万円
AWSエンジニアAWSを利用したインフラの設計から運用まで5年以上、IaC、コンテナ(ECS/Fargate)500万〜1,000万円
ソフトウェアエンジニア(AI推進室)Webアプリケーションの設計・開発3年以上、LLMやAIエージェントについての知識750万〜1,200万円
フロントエンドエンジニア(CTO室)React/TypeScriptとJestなどを使ったテストの実務経験(年数の記載なし)800万〜1,300万円
QAエンジニアテスト計画/設計/実施の経験 目安2年以上、JSTQB Foundation Level以上の認定(または準ずる知識)550万〜800万円
QAリードエンジニアQAリーダー経験 目安3年以上700万〜1,000万円

未経験でも応募できるのか

実務経験のない人が応募できる求人はなく、SaaS業界の経験がなくても条件を満たせる求人はある

求人票の上では、実務経験のない人が応募できる求人はありません。ただ、SaaS業界の経験がなくても条件を満たせる求人はあります。

たとえば、カスタマーサクセス(CSM)は、SaaS業界の経験がなくても、法人ソリューション営業の経験があれば条件に届く求人です。大手企業向けのエンタープライズセールスの求人も、必須は大手企業へのITコンサルティング・組織人事コンサルティング・無形商材の営業のいずれかで、SaaS経験は求めていません。

これに対して、エンタープライズセールス/アカウントエグゼクティブは、自社プロダクトのSaaS商材を扱ったエンタープライズセールスの経験が必須です。

第二新卒向けの求人はなく、カオナビは公式採用サイトのよくある質問でも、原則として実務経験と実績のある人を対象に選考すると答えています。

必須を満たさない応募について、カオナビは応募者のこれまでの実績や経験を踏まえて、他ポジションでの選考も含めて検討すると案内しています。求人一覧にない職種を希望する場合の窓口は、カジュアル面談応募フォームです。

カジュアル面談のあとに応募して書類選考で落ちた経験から、求人内容と経験年数が合っているかを確認した方がよいという声もあります。

カオナビは、同じ職種への再応募を応募から1年以内は遠慮してほしいと案内しています。

応募前に確かめること

株式の非公開化のあとに追えなくなった直近の決算と、いまも読める人的資本データ集などの公式資料

上場廃止で決算短信などの適時開示がなくなり、直近の決算を追う手がかりが減りました。一方、離職率は公式の人的資本データ集で確かめられます。

株式の非公開化

カオナビは2019年に東証マザーズ(現グロース)へ上場しました。2025年5月22日の臨時株主総会で株式併合を承認し、6月11日に上場廃止になっています。この併合は、一般の株主の持ち分を1株に満たない端数にして、株主を特定の者だけに絞る手続きです。

会社はこの非公開化を、目先の株価より顧客に長く価値を届けることを優先するための選択だと説明しています。採用ページでは5年後の再上場を目指すと掲げ、現在を第二創業期と呼んで、変化と混乱を伴う時期だと書いています。

いまも読める公式の資料のうち、人的資本データ集には、社員数、採用数、離職率、平均年収の3年度分が載っています。選考の流れ、残業、評価制度は採用サイトのよくある質問で、社員の構成は会社紹介資料(2026年8月版)で読めます。

離職率

カオナビの人的資本データ集では、離職率がどの年度も16〜17%台です。厚生労働省の令和6年雇用動向調査では情報通信業の離職率が10.2%で、カオナビはそれより6.2〜7.4ポイント高くなっています。集計の定義が同じとは限らないため、目安として見てください。

項目2023年度2024年度2025年度
離職率17.6%16.4%17.2%
平均勤続年数2.7年2.6年2.6年
正社員数304人394人484人
採用数72人142人161人
本部間の異動者数21人25人37人

表の採用数は新卒を含む人数で、2年で2倍以上に増えましたが、離職率と平均勤続年数はほとんど動いていません。貢献してきたシニアエンジニアやマネージャーが次々と辞めていったという声もあります。

中途採用の選考フロー

カジュアル面談、書類選考、面接、オファー面談、内定と進むカオナビの中途採用の選考の流れ

カオナビの中途の選考は、書類選考、2〜3回程度の面接、オファー面談、内定の順に進みます。内定までの期間は2週間〜1ヶ月ほどが目安で、職種や状況で前後します。

カジュアル面談は選考ではなく、応募の前に受けられます。平日10:00〜18:00の間で30〜60分ほど、オンラインで行われ、希望の部署の担当者か人事担当者が対応します。履歴書と職務経歴書は不要で、面談後の応募も必須ではありません。

カスタマーサクセス(パーソナリティ推進部)の求人票だけは、面接を2回と書いています。それ以外の営業とカスタマーサクセスの求人票は2〜3回で、状況によって面接の段階が変わる場合があるとも書かれています。エンジニア、QA、プロダクトマネージャーの求人票には選考フローの記載がないため、回数は会社の案内にある目安が頼りです。

採用サイトのよくある質問では、面接は基本的にGoogle Meetでのオンライン面接で、スーツを着る必要はないと案内しています。

転職会議の口コミによると、最初の面接の面接官は、採用ポジションのチームリーダーとメンバーの2名か、求人の部署の上長です。次の面接は担当部署の本部長や部長クラスが担当し、ここが最終面接になることもあります。面接時間は30分ほどから1時間です。

エンジニアの最終面接では、エンジニアリングマネージャーの質問のあとにテックリードから技術の質問が続き、コードレビューで何を重点的にチェックしているかを聞かれた例があります。

入社日は、会社が選考の段階から応募者の状況を聞き、相談して決めます。試用期間は3ヶ月で、その間も給与などの条件は変わりません。

面接で聞かれること

カオナビの中途の面接で聞かれた転職理由、一番の成果、なぜカオナビかの3つの質問

転職会議の口コミには、中途の面接で、答えたあとにもう一段聞かれた例が複数載っています。

転職理由

転職理由にネガティブな内容が少しでも入ると、かなり深掘りされることがあります。

前の会社からいまの会社へ移った理由を聞かれた面接も、新卒の就職活動で会社を選んだ軸を聞かれた面接もあります。

一番の成果

これまでの一番の成果を聞かれた法人営業の最終面接で、経歴と実績を一通り話したあとに深掘りされ、答えに詰まった例があります。

同じ口コミには、経歴と実績は全部を並べるより、深掘りされたい部分を印象づけて話すとよいという助言も書かれています。

なぜカオナビか

競合が多いタレントマネジメントの製品の中でなぜカオナビを選ぶのか、転職活動の軸とあわせて問われた例があります。志望動機を聞かれなかった面接でも、この問いに答えられるよう準備しておくとよいという助言が添えられています。キャリアの方向性と配属部署の今後の方向性が合っているかを見られていると感じた、という記載もあります。

カオナビが掲げる5つの価値観のうち、共感するものはどれかという質問も出ています。

  • 誠実さを大切にする
  • 顧客より顧客を考える
  • 会社を使って成長する
  • 仕組みを磨き続ける
  • 全員で勝ちに行く

営業とカスタマーサクセスの求人の多くは、求める人物像にこの価値観への共感を挙げています。

よくある質問

平均年収はどれくらいですか?

公式の人的資本データ集では、平均年収は直近の年度で729.5万円で、2年前の652.5万円、前年の691.7万円から毎年上がっています。

年俸制で評価と給与改定は年2回あり、7段階あるグレードごとに年俸レンジが決まっています。たとえばG3は550万〜800万円、G4は700万〜1,000万円です。

▶ 【2026年最新版】SaaS企業の年収ランキング!上場30社と職種別の年収を解説

カオナビは激務ですか?

採用サイトのよくある質問には、2026年3月期の実績として平均残業が1日あたり46分と載っています。

年間休日は123日の完全週休2日制で、リモートワーク率は78.7%です。残業は短いものの、有給休暇取得率は2年前の75.1%から直近の59.2%へ下がっています。

副業はできますか?

はい、中途の求人票に兼業推奨・副業可能と書かれています。

社外で経験を積み、その経験をカオナビの業務に生かす制度が兼業だと、公式の採用サイトは説明しています。兼業率は直近3年度とも18〜20%台です。

まとめ

応募前には、公式の募集要項で希望する求人の必須要件を読み、自分の職務経歴と1行ずつ照らし合わせてください。

入社後の環境が気になる場合は、離職率や採用数を公式の人的資本データ集で年度ごとに確かめられます。

面接では転職理由と、なぜカオナビを選ぶのかを聞かれます。答えを用意してから応募してください。

▶ SmartHRの転職難易度は高い?職種別の応募条件と面接で落ちやすい答え方を解説

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です